「薬膳料理は何か特別な食材とか使わないとダメなんですか?」
薬膳資格持ってますとお伝えすると、けっこう聞かれるこの言葉に「スーパーにある食材で薬膳料理できるっス!」とお答えする薬膳アドバイザーのみたらしです、こんにちは。
そうなんです。
薬膳という言葉の響きから「何やら変わった食材を使わないといけないのか」と思われますが、そんなことはありません。スーパーにある材料で充分美味しい薬膳料理が作れちゃいます!
- もっと手軽に薬膳料理を食べてほしい!
- スーパーの食材で薬膳料理が作れることを知ってもらいたーい!!
ということで今回は、独断と偏見で【薬膳アドバイザーおすすめの手軽に使ってほしい薬膳食材ベスト5!】をご紹介します。割と手に入りやすい食材をご紹介しますので、薬膳にちょっぴり興味が出てきたあなたは、ぜひ使ってみてください。
それではさっそくいきましょう!レッツおすすめ食材~(/・ω・)/
ベスト5:黒ごま・白ごま
まず始めは黒ごま・白ごまたちです。
なんとごまは『食べる丸薬』と農林水産省のHPで書かれているほど栄養価は豊富で、ごまにしか存在しない成分の【ゴマリグナン】は、抗酸化作用や肝機能を高める働きがあるとされています。
- ごま粒は小さいので毎日ちょっとずつ食べれる
- 肝と腎の働きを高める
この2点から個人的におすすめで、薬膳の基礎となる中医学の視点から見ると、ごまは五臓の『肝』と『腎』両方の働きを高める作用があります。
- 肝:気の巡りと全身の血流を管理する
- 腎:人の成長や発育・生殖・老化と深く関わりがある
ごまに期待できる効能としては
- 精力をつけ、血を養う
- 腸を潤し、便通を良くする
- 髪を黒く美くする
など、美容が気になる方にとっては見逃せない食材でもあるのです!
ちなみに、ごまは粒のまま食べると栄養が吸収されずそのまま排出されるため、ペーストで食べる方が吸収率が高くなると、大阪にある国産ごまや発芽ごまを販売している和田萬さんが仰ってます。
栄養価は吸収率でいったら、 いりごま<すりごま<ごまペースト の順で吸収率が高くなります。
和田萬さんホームページより引用
黒・白ゴマは使いやすくお味噌汁に入れてもグッドなお味なので、ぜひ常備してみてください。私はいりごまを擦って冷や汁にたっぷり入れるのが大好きです~(´ω`*)
ベスト4:黒キクラゲ・白キクラゲ
続けて、ベスト4は黒キクラゲと白キクラゲ。
見た目から何となく海藻っぽい雰囲気が出てますが、キクラゲは立派なきのこの仲間です。(私は海藻だと思ってて夫に言ったら笑われました。ガッデム)
黒キクラゲは中華料理、白キクラゲはデザートで使われることが多く、他に使い道が少ないように思えますが…エスニックサラダや和え物、スープなど、割と自由に使える便利な食材だったりします。
- 一年中販売してて、値段がリーズナブル
- お湯で戻して刻むだけで使えるので超便利
- 甘味で平性という性質が食べる人を選ばない
そんなキクラゲ’sの中医学的な効能はこちら↓
- 気を補い、血を養う
- 肺を潤し、咳を止める
- 血液中にこもった熱をとり、出血を防ぐ
- 陰液を補い、唾液の分泌を促す
- 肺を潤し、胃を保養する
黒キクラゲは咳止めや気血を補い、白キクラゲは強い滋養作用で内臓や脳を元気にする作用が期待できるため、春や秋の空気の乾燥による空咳には黒キクラゲ、夏の暑さで体力がゴリゴリ削られるときには白キクラゲのスイーツで滋養するなど、季節に合わせて使うこともできますよ~。
ベスト3:クコの実
続けて、赤い色が何とも魅力的なクコの実がベスト3!
あの世界三大美女の楊貴妃が1日3粒のクコの実を食べて、美容に気遣っていたと言われる食材です。
- 目の疲労を回復する
- 美容に良い効果が期待できる
この2点が挙げられますが、個人的には目の疲労を回復するためにモリモリ食べてるので、同じように眼精疲労が激しい人におすすめです。
そんな私の目の疲れはさておき、クコの実の中医学的な効能を見てみましょう。
- 肝腎を補い、働きをよくする
- 目の疲労を除き、視力を回復する
- 肺を潤し、空咳を解消する
美味しくてハマった人参とクコのサラダ
- 人参 1本
- クコの実 大さじ2
- 砂糖 小さじ1
- オリーブオイル 大さじ1
- 酢 大さじ1
- レモン汁 大さじ1/2
- 塩・コショウ 少々
- 酢大さじ1にクコを浸しておく
- 人参は皮を剥いて千切りにし、砂糖をかけ5分ほどおく
- 1のクコを人参に加える
- 1の酢、オリーブオイル、レモン汁、塩・コショウを加えて混ぜる
クコはスーパーの中華食材売り場に置いてますが、そんなに量が入ってないので、常備するときはネットで取り寄せるか中華食材専門店で買ったほうがお得です。あ、クコはサラダ以外にもスープや炒め物、お茶にもできるので使い勝手は悪くないですよ!
恐れおののくクコの実のビタミンC含有量についてはこちら
ベスト2:松の実
さぁ、やってまいりましたベスト2は松の実です!
「老化予防に効く仙人の実」と呼ばれる種実類で、ピーナッツをまろやかにしたような味わいがあり、「薬膳の食材と言えば松の実」をあげる人も少なくないほどポピュラーな食材です。
先に紹介した3つの食材より少し値は張りますが、全体的に栄養価が高く、期待できる効能も多いことからベスト2にしてみました。
- オメガ6のリノール酸を含んでいる
- アレルギー改善が期待できるピノレン酸を含んでいる
- 肌や内臓の粘膜に潤いを補う
そんな松の実の中医学的な効能はこちら↓
- 肺を潤し、乾燥から肌を守る
- 腸内の血・津液¹不足による便秘を改善する
- 経絡²や臓腑の間に停滞した風邪(ふうじゃ)を発散させて除く
¹ 津液(しんえき): 狭義では血以外の身体の水分の総称。
² 経絡(けいらく): 身体のエネルギーである気や血を運ぶ通り道のこと
松の実のスゴさはこちらでも語ってますが↓
文字数が多いので一言で松の実のスゴさをお伝えすると…
ベスト1:生姜
さて、栄えあるベスト1は何と言っても神食材の生姜です!
薬味によし、スープによし、炒め物や蒸し物によしと、まさに何でも使える食材のスーパースター!しかも安い!
なぜおすすめなのかなんて野暮ったいことは言いません!
そんな生姜は生の状態を「生姜/しょうきょう」、蒸して乾燥させたものを「干姜/かんきょう」と呼び、それぞれ中医学的な効能が異なります。
- 発汗によって寒邪(かんじゃ)を追い払う
- 胃腸の働きを活発にし、嘔吐を止める
- きのこ、魚介類の毒素を分解する
- 胃腸を温め、消化機能を高める
- 陽気を回復させる
- 肺を温め、体内の余分な水分をとる
寒い冬には生姜湯や生姜鍋で身体をポカポカにし、暑い夏にはジンジャーエールで気分スッキリ、新生姜が出回る春から梅雨には大量の生姜の千切りと豚肉の炒め物、秋には生姜ときのこたっぷりスープなど、まさに一年中使い倒せます。しかも安い(2回目)
これはいただいた生姜を大量(150gぐらい)に千切りにして、豚肉と炒めてる物です。(味付けは塩麹だけ)
身体が内側からポッカポカになるレシピですが、生姜にしっかりと火を通すと全然辛くないのでモリモリ食べれますよ!
もっと生姜を食事に取り入れたい人、生姜レシピを増やしたい人、単純に生姜が好きな人におすすめの本です!(もちろん葱のレシピも豊富に載ってます)
長くなりましたが、ここまでがおすすめしたい薬膳食材ベスト5です!最後にちょっとだけ、私が思う薬膳についてつぶやいて終わりにしたいと思います(´ω`*)
おすすめ食材のあとがき
今回の薬膳のおすすめ食材、いかがでしたでしょうか?
中には「これって薬膳じゃなくて、普通の食材じゃん」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、正にその通り。
もっと本格的な薬膳の料理教室や講座をされてらっしゃる方は、それなりの食材を使われてるかと思うのですが、
野菜多めで「まごわやさしい」を意識した料理を作りたい私からすれば、今回紹介した5つの食材でも立派な薬膳料理が作れますよ~ということをお伝えしたかったのです(`・ω・´)キリ
お堅いイメージがある薬膳ですが、中をのぞいて見れば「実は使い勝手の良い料理知識だった」ということを、あなたに伝わっていたら嬉しいです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました~♪
積極的に食べたいクコのレシピはこちら
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