「薬膳って、お肉食べてもいいんですか?」
薬膳のお話をさせていただくと、必ず聞かれる質問のひとつが「肉類を食べてもいいのかどうか」なんですが・・・
と、薬膳アドバイザーの視点から声を大にしてお答えさせていただきます。
肉食のコペン君のことはさておき、何かと食べるものに制限があるように思われる薬膳ですが、その中でも特によく聞かれる【肉類】のことについて、疑問にお答えしたいと思います!
今回は
- 薬膳から見た肉類の性質
- 各肉類の中医学的な効能
- 肉類を避けたほうがいい場合
以上のことをわかりやすくご紹介します!
肉類の性質を知って上手に取り入れることができたら、さらに肉ライフが充実すると思うので、ぜひご覧ください!それではいきましょう、レッツミート~!!( ・ω・)/
薬膳から見た肉類の性質
まずはそれぞれの説明の前に、中医学をもとにした肉類の『性味』と『帰経』についてご紹介します。
- 性とは、食材や生薬が体内に入って及ぼす作用のこと
- 味とは、食材や生薬がもつ味および、味が代表する働きのこと
【肉類の性味と帰経の表】 | ||
肉類 | 性味 | 帰経 |
牛肉 | 甘/温 | 脾・胃経 |
豚肉 | 甘・鹹/平 | 脾・胃・腎経 |
鶏肉 | 甘/温 | 脾・胃経 |
羊肉 | 甘/熱 | 脾・腎経 |
レバー/鶏 | 甘・苦/温 | 肝・腎・脾経 |
レバー/豚 | 甘・苦/温 | 脾・胃・肝経 |
ではそれぞれ、各お肉の詳しい性質と中医学的な効能を見ていきましょう!
牛肉
性味 | 帰経 | |
牛肉 | 甘味/温性 | 脾・胃経 |
貧血を予防し、身体を丈夫にする牛肉の性質は、
- 滋養作用がある甘味
- 身体を温める性質の温性
- 五臓の脾と胃経(胃・筋肉・口・唇・感情の思)に作用する
- 脾胃の働きを高める
- 気と血を補う
- 骨や筋を強化する
豚肉
性味 | 帰経 | |
豚肉 | 甘・鹹味/平性 | 脾・胃・腎経 |
ビタミンB¹が豊富な豚肉の性質は、
- 滋養作用がある甘味
- 固いしこりのようなものを軟らかくし潤す鹹味(かんみ)
- 性質に偏りがなく使いやすい平性
- 五臓の脾と胃、腎経(膀胱・骨髄・耳・髪・感情の恐)に作用する
- 腎の機能を高める
- 陰を補い、潤す
- 気を補い、血を増やす
豚肉は夏こそ食べてほしい!
ビタミンB群が豊富な豚肉は性質に偏りがないため、暑い夏にこそ食べてほしい肉類ナンバーワンです。
冷しゃぶにしてネギなどの薬味、甘辛いタレなどをかけると食欲がないときでもスルッと食べれますよ!
鶏肉
性味 | 帰経 | |
鶏肉 | 甘味/温性 | 脾・胃経 |
良質なたんぱく質が豊富な鶏肉の性質は、
- 滋養作用がある甘味
- 身体を温める性質の温性
- 五臓の脾と胃経(胃・筋肉・口・唇・感情の思)に作用する
- お腹を温め、気を補い身体に力をつける
- 精と髄を補う
羊肉
性味 | 帰経 | |
羊肉 | 甘味/熱性 | 脾・腎経 |
肉類の中で最も身体を温める羊肉の性質は、
- 滋養作用がある甘味
- 身体を温める性質の熱性
- 五臓の脾と腎経(膀胱・骨髄・耳・髪・感情の恐)に作用する
- お腹を温め、脾の働きを高める
- 腎を丈夫にし、精力を高める
- 気を補い、血を養う
温性より身体を温める熱性の羊肉
四性(温・熱・涼・寒)から見た羊肉は、温める作用が穏やかな温性よりも比較的強い作用の性質を持ち、寒い冬や冷え性の女性、お腹を温めたいときなどに食すと効果的と言われます。
冬がツライあなたは必見です!
レバー
性味 | 帰経 | |
鶏 | 甘・苦味/温性 | 肝・腎・脾経 |
豚 | 甘・苦味/温性 | 脾・胃・肝経 |
肝の働きを助け、血を養うレバーの性質は、
- 滋養作用がある甘味
- 身体の上部のほてりをとる苦味(くみ)
- 身体を温める性質の温性
それぞれの帰経は
- 鶏/肝と腎、脾経(胃・筋肉・口・唇・感情の思)に作用する
- 豚/脾と胃、肝経(胆・筋・目・爪・感情の怒)に作用する
- 肝と腎の機能回復
- 血を養い、視力を回復する
- 肝の機能を高め、視力を回復する
- 気を補い、脾胃の働きを正常にする
- 利尿作用
- 肉類は滋養作用があり、豚肉を除くほとんどが温熱性
- 肝・脾・腎・胃と経絡に作用する
では続けて、肉類を避けたほうがいい場合のことをご紹介します。
肉類を避けたほうがいい場合
牛肉、鶏肉、羊肉は性質が温熱性のため、下記の症状がある場合は摂取は控えましょう。
- 身体に熱がこもりやすい
- 身体に熱がこもっている
- 身体に必要な潤いが不足している
- 熱病(カゼ)にかかっているとき
- 皮膚病やできもの(体表に熱)がある人
豚肉は痰を生じやすいため、痰がたまりやすい人は控えめにしましょう。
レバーは苦味のため、食べ過ぎは身体を温める力を弱め、胃腸を冷やしやすいので注意が必要です。
性質はバランスよく摂って!
食べ物の性質には『温熱性』『寒涼性』『平性』の3つがあり、それぞれをバランスよく摂ることが理想とされています。
温熱性の肉類は身体を温めるメリットがある反面、食べ過ぎは身体に熱が溜まり過ぎる状態になってしまうため、寒涼性や平性の食材も取り入れ、偏りがない食事をするようにしましょう(´ω`*)
性質を考えて材料をたくさん組み合わせるレシピは大変ですが、2つか3つの材料(肉1種類に野菜2種類ぐらい)をポポイと鍋に放り込んで作るスープは、薬膳の栄養を逃さないという観点からもすごくおすすめです。
何より簡単で、栄養価も高く、胃腸に負担がかからない!
薬膳アドバイザーの私としては季節を問わない激推しの調理方法なので、冷蔵庫にある肉と野菜でぜひ作ってみてください(*´ω`*)
ここまでご覧いただき、ありがとうございました~♪
薬膳の資格に興味があるあなたは必見です!!!
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