ぼんじゅーる♪薬膳アドバイザーのみたらしです!
前回は中医学の基礎知識としてかかせない『気』の種類や作用のことについてご紹介しました。
今回は、
- 『気』のバランスが崩れるとはどういうことなのか?
- バランスが崩れたとき、私たちの身体には何が起こるのか?
私たちの身体にある『気』のバランスが崩れたときのことをご紹介したいと思います!
『気』のバランスが崩れるとはどういうこと?
『気』には4つの種類と6つの作用があると、前回ご紹介したことを覚えていますか?
4つの種類 | 元気・宗気・営気・衛気 |
6つの作用 | 推動・温煦・防衛・固摂・気化・営養 |
この4つの『気』と6つの作用が正常に働いているからこそ身体は元気なのですが、正常ではなくなる=バランスが崩れてしまうと、様々な症状が現れてしまいます。
気のバランスが崩れるとは、
- 『気』が不足している状態
- 『気』の巡りが悪くなっている状態
このどちらか、もしくは他の原因によってバランスが崩れるということを言い、それぞれ身体に現れる症状も異なります。
気のバランスの崩れ | |
気虚 ききょ | 気が不足した状態 |
気滞 きたい | 気の巡りが滞った状態 |
気逆 きぎゃく | 気が上に昇りすぎて、下に降りる気が不足している状態 |
気陥 きかん | 上に昇る気が不足して、気が下に降りすぎの状態 |
気脱 きだつ | 気を身体にとどめておけず外に出てしまう状態 |
※薬膳の基本と中医学 図表1-2-12参照
※(気逆⇔気陥)
『気』のバランスが崩れたとき身体に起こること
次にお話することは「あくまで起こりうるであろう症状」のことで、必ずしもあなたの身体の状態に当てはまるわけではありません。中医学の診断方法は本来『四診』による身体の情報を集めたあと、気血津液弁証や臓腑弁証と組み合わせて弁証します。
※四診(目で見る「望診」、においと音による「聞診」、患者から聞き取る「問診」、患者の身体に触れる「切診」の4種類。)
※弁証(中医学独特の診療法である四診によって相手の情報を集め、分析し、証を見つけること)
それでは、『気』の異常によって起こる証を、一つずつより詳しく見ていきましょう!
気虚(ききょ)
原因 | 気が不足して起こる |
治法 | 気を補う(補気/ほき) |
症状 | |
食欲不振、消化不良、疲れやすい、気力がない、倦怠感がある、カゼをひきやすい |
気滞(きたい)
原因 | 気を巡らせる機能が低下し、停滞して起こる |
治法 | 気の巡りをよくする(理気/りき) |
症状 | |
主にストレスや陽気不足による、はれたりつかえたりする痛みが固定せずに移動する |
気逆(きぎゃく)
原因 | 気の昇降運動が正常でなくなることで起こる |
治法 | 上逆する気を下に降ろす(下気降気/かきこうき) |
症状 | |
主に肺(咳や喘息)や胃(嘔吐、ゲップ、シャックリ)や肝(めまい、頭痛)にみられる |
気陥(きかん)
原因 | 気虚がさらに進行して起こる |
治法 | 気を補い、持ち上げる(益気昇提/えっきしょうてい) |
症状 | |
気が下がり内臓や組織を定位置に維持する力が低下し、胃下垂、ヘルニア、子宮下垂などがある、脾胃の場合は倦怠感や慢性の下痢も |
気脱(きだつ)
原因 | 大量の汗や大出血により起こる(救急が必要な状態) |
治法 | 気を補い、津液や血が漏れ出すぎるのを食い止める(益気固脱/えっきこだつ)、陽気を強く補い脱するのを防ぐ(回陽救逆/かいようきゅうぎゃく) |
症状 | |
津液や血とともに気が身体の外に出てしまうことで突然衰弱し、顔面蒼白、冷や汗、手足の冷え、意識障害などが起こる |
『気』と『血』の両方に関係する証
- 気滞血瘀(きたいけつお)
- 気虚血瘀(ききょけつお)
- 気不摂血(きふせっけつ)
- 気随血脱(きずいけつだつ)
- 気血両虚(きけつりょうきょ)
ここで以上の証を説明してしまうととんでもなく長くなってしまうので、『血』『津液』『精』のご紹介が終わったころに改めてお伝えしたいと思います。ホントに四字熟語みたいですよね(;・∀・)
では最後に、今回の内容をまとめて終わりにしたいと思います!
薬膳の基礎知識その7-2:まとめ
『気』のバランスが崩れるとはどういうことか
- 『気』が不足している状態
- 『気』の巡りが悪くなっている状態
このどちらか、もしくは他の原因によってバランスが崩れるということを言い、それぞれ身体に現れる症状も異なります。
5つの『気』の乱れ
気のバランスの崩れ | |
気虚 | 気が不足した状態 |
気滞 | 気の巡りが滞った状態 |
気逆 | 気が上に昇りすぎて、下に降りる気が不足している状態 |
気陥 | 上に昇る気が不足して、気が下に降りすぎの状態 |
気脱 | 気を身体にとどめておけず外に出てしまう状態 |
薬膳の基礎知識シリーズはこちら
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